読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

最も怖かった心霊体験…

最も怖かった心霊体験…

それは…俺が四十歳になって間もない夏のこと…

住居は川崎市高津区の二階建アパートで風呂なし便所なしの四畳半ひと間でした…

アパートの一階にはある有名な芸術家の親戚にあたる大家の老夫婦が住んでいました…

すぐ隣には有名な古い病院があり時々テレビドラマの撮影が行われていました…

主演は井森美幸荻野目洋子…話を戻します

当時の俺は寝たきりになった母親の介護をするため失業者になるのか音楽活動を続けるのか悩みながら毎日のように酒を飲んでいました…

綺麗だった襖も穴だらけになり入居当時の十年前から気になっている襖の穴をふさいだ紙を剥がしてみました

…すると…

全く読めない不思議な文字を毛筆で隙間なく書き込まれた和紙が綺麗に折りたたんで入れてありました…

訳が解らないまま俺はそれを丸めてゴミ箱へ…

さて寝ようかと布団に入って間もなく今まで経験したことのない頭全体を締め付けられるような激しい頭痛に襲われ俺はこのまま死ぬのかと感じた直後に気を失ってしまいました…

覚醒するきっかけになったのは枕元の足音と背筋も凍るような寒気でした…

目が覚めた直後に俺は周囲を確認しましたが既に気配は無く足音も聞こえませんでした…

別の日に同じ様な事が二回あり…

ついにそれは姿を現しました…

気配を感じた俺がすぐに目を覚ますと右側に小太りの若い学生風の男が独り立っていました…服装は黒ズボンに白いワイシャツ…

それは見ると間もなく出入口の引戸に向かいスーット移動して部屋の外へ…

ホッとした俺が再び眠りに就くと今度は夢の中に当時加入していたダンスバンドの女性ピアニストが寝ている俺の足元に白装束で座り何か言いながら掛け布団の上をバンバン叩き続けています…

何を言っているんだと思いながら聞いていると…私の子供は何処にいるの?と何度も繰り返しています…

これは夢だと気が付いた俺は目を覚ますと消えるだろうと思い目を開けると何とそこには私服姿の彼女の生き霊が!

それも間もなくスーット立ち上がり出入口に移動して閉じた引戸をすり抜け部屋の外へ…

午前五時頃から八時頃にかけての出来事です…今思えば…

あの和紙に書いてあったものは梵字による魔除けだったのかもしれない…

オー・マイ・ガー!!

その翌年の二月に俺はそこを引き払い実家に戻り辛い介護生活が始まったのでした…